2025.10.22
近年、高齢者向けの入所施設やデイサービスなどの介護事業者では、他業種同様に深刻な人材不足が続いており、とくに「経験のある中途人材」の採用が注目されていると聞きます。
即戦力として働けるだけでなく、現場に安定をもたらし、若手スタッフの育成にも貢献できるのが中途採用の大きな魅力。ところが、実際には「募集を出しても応募が来ない」「来ても長続きしない」という声も多く、その原因のひとつは、"求職者に伝わっていない自社の魅力"にあるのではないでしょうか。
例えば、「職場の雰囲気」「働きやすい勤務体制」「利用者との関わり方」など、現場の"リアルな声"を採用ページやSNSで発信している施設は、応募率が明らかに高い傾向にあるのも事実。つまり、「中途採用成功のカギは、求人内容よりも"職場の見える化"」にあると言えると思うのです。
そこで今日のブログでは、実際に中途採用で成果を上げた事例と、介護事業者が取り組むべき採用戦略をわかりやすく解説したいと思います。
職場のリアルを伝える
所沢市内のあるデイサービスでは、これまで求人サイトに採用情報を掲載しても応募が月に1件あるかないかという状況でした。
そこで取り組んだのが、採用に特化した専用サイトを開設し、スタッフインタビューと職場紹介を発信することでした。
採用サイトには「スタッフの1日」「仕事のやりがい」といった職種毎に動画や写真を使って詳細に紹介し、Instagramでも利用者との日常風景を投稿。求人広告では伝わらない"あたたかさ"を伝える工夫をしました。
すると、半年後には応募数が3倍に増加。しかも応募者の多くが介護経験者で、「この職場なら長く続けられそう」と話す人が目立つようになりました。
つまり、「採用活動=情報発信」という意識に変えることで、求人広告を出すよりも効果的に中途人材を惹きつけることができたのです。
給与よりも職場環境の時代
介護業界の求職者は、「給与よりも職場環境」を重視する傾向があります。つまり、「どんな人と働くのか」「人間関係は良好か」といった点が応募の決め手になるのです。
そこで重要なのが、"リアルな職場の見える化"。
例えば、スタッフ紹介ページでは「入社〇年目」「入社の理由」「今の目標」などに加え、「一日の流れ」「昼食時の様子」「休日の過ごし方」も紹介し、応募前から職場の雰囲気を感じ取れるようにします。そうすることで、求職者は「ここなら自分も働けそう」と自然に感じるようになります。
つまり、求人広告だけで完結させず、ホームページ+SNSで常に新しい情報を発信することが、採用成功のカギとなります。
職場の実情を伝える
中途採用の目的は「人を採ること」だけではなく、「長く働いてもらうこと」。そのためには、入職前と入職後のギャップを減らすことが大切です。
"見せる採用"を行っている施設では、面接前に施設見学を積極的に実施し、スタッフ同士の会話や利用者との関わりを実際に見てもらう取り組みが増えています。
このように、採用の時点で「信頼」を築くことができれば、入職後の不安やミスマッチが減り、定着率が上がるのです。
結局のところ、中途採用を成功させる最大の要因は、「どれだけ誠実に職場の実情を伝えられるか」。これこそが、採用と定着、両方を叶える介護事業者の新しい採用戦略となるです。
介護業界の中途採用は、「経験者を採る」よりも「信頼を得る」ことが大切です。そのためには、求人票だけに頼らず、職場の雰囲気・働く人の声・日々の風景を発信していくことが効果的です。
小さなデイサービスでも、見せ方を工夫すれば応募は必ず増えます。
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【著者プロフィール】
株式会社アクセスアップ/富井清和
1998年東京都千代田区でITベンチャーを起業。 金融機関・放送局・大手電機メーカーを含む約1,500社にも及ぶWebシステム開発に携わる。船井総研との共同セミナー講師、東京税理士会や杉並区中小企業診断士会への技術研修。杉並区商工会議所や武蔵野青年会議所等でセミナー講師を務める。
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